勝負ペンとして、万年筆をおすすめしたい。
社会人になり年齢を重ねると、業務用の文書や重要な契約書等に、手書きによる署名や文書を作成する機会が増える。
気持ちを入れて記入するために、普段使いの筆記具より格上の「勝負ペン」を使用される方もいらっしゃると思う。
また、この「勝負ペン」を使用する機会も増えたのではないか。
今回は「勝負ペン」として、万年筆の使用をお勧めしたい。
「勝負ペン」のボールペン部門は、別の機会にお勧めする予定
国産3大メーカーからのおすすめ
セーラー
創業:1911年(明治44年)
1911年 阪田久五郎が広島県において国産初の万年筆(14金ペン)の製造を始めた。
1932年 社名を「株式会社セーラー万年筆阪田製作所」とし、職人集団が作る高品質な万年筆で国産3代メーカーの地位を築いた。
本店 広島県呉市
パイロット
創立:1918年(大正7年)
1918年 船乗りであった創業者が「日本から世界に誇れるものを作りたい」という思いで、国内初の純国産万年筆の製造・販売を開始した。
本社 東京都
プラチナ
創業:1919年(大正8年)
飾り気がなく質実剛健なイメージで、多くの万年筆ユーザーから支持を得る。
使用しないときにインクの乾きを防ぐ特殊機構のキャップを開発するなど先進性も備え持つ。
本社 東京都
外国製品からのおすすめ
モンブラン(独)
創業:1906
1924年 代表作「マイスターシュテュック」を発表
太く重厚感のあるデザインが特徴的で、多くのメーカーの指標となる、定番の製品
1980年 ダンヒル社に買収される。
ペリカン(独)
創業:1832年
1863年 インクメーカーとして発展
現在では、モンブランと双璧をなす万年筆の代表的メーカーとして成長した。
フラッグシップモデルである「スーべレーン」は、作家から一般人まで世界中に多くのファンを持つ。
ラミー(独)
創業:1930年
1960年代から、デザインに注力し、「西暦2000年になっても通用するデザイン」をコンセプトに製品開発し、現に販売開始50年を経てなお、そのままのデザインで販売されている。
主力製品「safari」
シュナイダー(独)
創業:1938年
キャップからペン先、本体に至るまで「ドイツ生産」に拘り、優れた品質と書き心地を追求するメーカー
ドイツのデザインアワードを受賞し、シンプルで価格も手頃である「Base」などがある。
パーカー(英)
創業:1891年
創業当時はアメリカ
最高ラインの製品「デュオフォールド」は、ダグラス・マッカーサーをはじめ、多くの著名人に使用され、コレクターにも人気がある。
太平洋戦争終結時、日本の降伏文書での署名に使用され、近年の首脳会談での調印式でも頻繁に使用されている。
ウォーターマン(仏)
創業:1883年
世界で初めて毛細管現象を応用した万年筆「ザ・レギュラー」を発売
太平洋戦争終結時、ポツダム宣言の署名にウォーターマンのペンが使用された。
デザイン性にも優れ、ボディとペン先が一体感のある特徴的なデザインの「カレン」 がある。
アウロラ(伊)
創業:1919年
時代の最先端を行く独創的なデザインや気候により、「機能」と「デザイン」の一致を追求し、自社工場生産を行う数少ないイタリアメーカー
ボディに自社開発の「アウロロイド」を使用するカラフルなモデル「オプティマ」の他、筆記具として初めてMoMA(ニューヨーク近代美術館)に永久保存されたモデ ル「アスティル」を開発した。
クロス(米)
創業:1846年
アメリカを代表する高級筆記具メーカー。
歴代大統領が使用するメーカーとして有名
近年ではオバマ元大統領が「タウンゼント」、トランプ前大統領が「センチュリー」シリーズのボールペンを、其々使用していたことが知られている。
TWSBI(台)
創立:2009年
台湾の三文堂筆業が生産する万年筆ブランド。社名の「三文堂」を英語に音訳した「San Wen Tong」の頭文字を逆にした「TWS」に、中国語の万年筆の「筆」を表す音訳「Bi」を加えTWSBIとした。
約40年以上、様々な有名ブランドのOEM会社としての経験を積み、独自ブランドを立ち上げた。
豊富なカラーバリエーションを展開し、メカニカルなインク吸入構造、分解・メンテナンスが容易なことが特徴
高品質でコストパフォーマンスに優れた代表作「ECO」
筆記具としての万年筆
筆記具として使い勝手が良いのは、やはりボールペンやシャープペンになるだろう。
どうしても万年筆は、使うときに、筆圧であったり角度であったり、または使用後の手入れであったり、気を使うことが多い。
しかし、大切な契約書の署名であったり、重要なコメントであったり、個人が間違えなく書き残す場合には、一度クールダウンしながら、この多少面倒な筆記具を使って、記入するのも良いかと思う。